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コムデギャルソンのスラックスと、スタイルの話。

by KOUki

 僕のスタイルはなんだろうかと考えることがあった。トレンドを追っかけるのが好きかというとそうでもない。服も料理もデザインも、トレンドものが広く世間に出回れば、自ずと手に取る機会が増える。それゆえに僕がトレンドを着たり食べたり触れたりする。その程度だ。センサーを張り巡らせて主体的にキャッチしようとはしていない。では、僕はどんなスタイルで何を食べて、着て生きているのだろうか。

 父の引っ越しに伴い、洋服の「お下がり」をもらった。繊維系の商社に務めていたらしい父のクローゼットには、当時の景気の良さと繊維に携わる者だったことを思わせる、それなりに質の良い衣服でいっぱいだった。MELROSEのキャメル色のロングコートはオーバーサイズで、いまどきに着られるし、MEN's BIGIのツイード生地のオーバーサイズコートはとても重たいけど、暖かいしカッコいい。ただコムデギャルソンのスーツは、肩パットの入ったダブルでこれはなかなか活用しづらい。スラックスは太くて漫画に出てくる昔のヤンキーみたいだ。それでも僕は、「いつか使えるのではないか」、「捨てるくらいなら」と思い、もらった。それから少しだけ時間が経ち、ふと、このスラックスをクローゼトの中で見つけた。幅の太い丈も僕には長すぎる。このままではどうにも僕には履けないので、裾を直してみた。少し短めに。そうしたらとてもいいワイドパンツになった。生地もしっかりしているし、股上が長いのでスタイルも良く見える。うんうん、これはいいではないか。

 そうだ。僕はこういうスタイルなのだ。欲しいものを寄せ集めるよりも、突然やってきたものや今あるもので楽しむのが好きなのだ。冷蔵庫にあるモノで何を作って食べようか?と考えるように、材料の組み合わせを楽しむのが今の僕のスタイルなのだ。これからもそうやって生きていくのだろう。

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